so ist es immer【Levi dream】
第5章 reason to aim at
「ハンジ、お前は地下街から出てきた商人を捕まえろ。見た限りだとナイルが連れてきた兵士は新兵だ。商人を逃がすと今度は我々が不利になる。決して逃がすな。」
「くぅうぅう!滾るねえッ。任してよエルヴィン。多分、否、間違いなく憲兵は使い物にならないから私がドーンと捕まえてくるよっ!」
ハンジは立体機動装置を装着し終え、興奮気味に何度も頷くとエルヴィンと共に地下街を目指したのだった。
次の次の景色がどこかの映像のように消えていく。風の如く木々を飛び越え立体機動装置の動きに隙がないリヴァイは目の前に光る黒いマントを羽織った男達を見据えていた。矢のような素早さで一瞬で男達に追いついたリヴァイは顔色ひとつ変えずに男達を追い越し男達の動きを止めた。
「ッ……、なんだ!!!?」
「よぉ。…お前らそいつをどこに連れていく気だ?」
「……っ、リヴァイ!!リヴァイか、お前!!」
男達の太股にはエルヴィンの言った通り立体機動装置が着けられていて。リヴァイは目を細め気を失ったジゼルを抱えてる男を睨む。周囲にいる男は予想外の強敵に顔を青ざめた。立体機動装置を光らせその扱いに慣れている、だが地上の事に関しての知識は無いに等しいのだろう。
その証拠にこいつらが今向かっているのは地下街。追ってくる敵を撒こうともせず、真っ直ぐに地下街を目指した男達に疑問が確信に変わる。
こいつらは紛れもない地下の人間だ。
リヴァイが動きをとめた男の手にはジゼルが固く目を瞑っていて。純白のドレスがところどころ汚れていた。
「何故こいつを狙う。目的はなんだ。」
「っ、お、お前だって分かるだろう!?地上に出る為だ!こいつの持つアシュリーの莫大な資産で俺達はゴミ溜めから抜け出すんだ!」
「ほう。…内通者がいるという事か。こいつがアシュリーの娘だということは有名な話だが地下にまで情報が行くわけがねえ。言え、内通者は誰だ。お前らを雇った人間を今すぐ言え!」
居る。この男達を裏で雇った内通者が。
「……リヴァイ!!!お前は調査兵団に勧誘されたから俺らの気持ちは分かんねえだろうなッ!だが俺らはこいつの持つ資産で地上に上がる!自分の力でだ!!」
叫んだ勢いでフードが取れる。必死にこちらを睨んで威嚇する男にリヴァイは眉一つ動かさずその男を見下ろした。