so ist es immer【Levi dream】
第5章 reason to aim at
「私はナイルと共に立体機動装置を扱っている地下の人間を探し出す。ハンジ、お前は立体機動装置を身につけ私と一緒に来てくれ。そしてリヴァイ。お前はジゼルを追え、地下街のゴロツキと言えどお前の敵ではない。……可能なら生きたまま調査兵団本部に。厳しければ…、お前の判断に任せる。」
「了解した。ある程度は吐かせよう。」
つまりそれは、殺す、ということ。
だがある程度の情報は吐かせてから息の根を止めるということ。
リヴァイの言葉を理解したエルヴィンは小さく頷いた。それを見届けたリヴァイは手馴れた手つきでアンカーを飛ばし、目では追い切れない早さで会場を後にした。稲妻のように素早いリヴァイの行動に呆気にとられたヴェルディは瞬きするのも忘れその場に佇んでいた。
「ヴェルディさん、どこに敵が潜んでいるか分からない以上ここは戦場と同じ。此処は危険です。今すぐ避難を。」
「あ、……ああ、分かった。ジゼルを頼んだよ。」
ヴェルディはエルヴィンの言葉に小さくだが何度も頷きレオンとレヴィを連れて会場を後にする。シーン、と静まり返った会場では憲兵を引き連れてきたナイル・ドークが姿を現す。
「エルヴィン、貴様は何を考えている。一体何故あの娘が狙われるんだ。」
「分からない。悔しい事に相手に対する手掛かりがひとつもない。」
「なんだ、お前にしては珍しいな。で、アシュリーの娘が攫われたと言ったが誰が追ってる?」
「リヴァイだ。捕まえた後の判断はリヴァイに任せている。」
「……リヴァイならジゼルを攫った連中にすぐに追いつくだろう、でもあいつの独断だとすれば死体で持ち帰ってくるんじゃないのか?だとすればまた手掛かりはなくなる。どうするつもりだ。何を考えてる、エルヴィン。」
「ナイル、お前は地下街で立体機動装置を売り捌いている悪徳商人を探してくれ。奴らから得た情報が大きな手掛かりとなるだろう。ジゼルを攫った連中も恐らくは商人にまで目を向けてはいない。憲兵団師団長のお前ならそれが可能だろう?」
「…ったく、お前と行動するといつもこれだ。いくら心臓があっても足りん。」
呆れたように息を吐いたナイルは後ろに控えている憲兵に目を配らせ一人一人に的確な命令を下す。地下街、という言葉に顔を引き攣らせた憲兵はナイルの命令に渋々頷きながらも次々とその場を去っていく。