so ist es immer【Levi dream】
第5章 reason to aim at
まさか、こんな大掛かりなやり方で攻めてくるとは思わなかった。
タイミングを見計らったかのように消えた照明。混乱で人々が会場から出ようと出口に詰め寄る。我先にと会場から出ていく貴族の慌ただしい様子にリヴァイは眉間に皺を寄せ屋根から飛び降りる。
一瞬で空っぽになった会場には唇を噛み眉間に皺を寄せているエルヴィンと混乱した様子のハンジ、驚愕で目を見開いたままのヴェルディが居た。辺りを見渡してもあいつが居ないことに気付いた俺は早足でエルヴィンの元へ向かう。
「おい、エルヴィン。これはどういう状況だ。あいつは。」
「……リヴァイか。すまない、ジゼルが攫われた。まさかこんな形で襲ってくるとは、」
「やめろ、よせ。お前の言い訳を聞きたい訳じゃねえ。相手は。」
「リヴァイ、どうやら私達の予想以上に事が大きくなっているらしい。相手は……、立体機動装置を装着していた。だが我々でも憲兵団でも駐屯兵団のものでもない。とすれば、」
エルヴィンの言葉にリヴァイは僅かに目を見開いた。
「……地下の人間か。」
息が詰まる。確かに地下街には立体機動装置が手に入る特殊ルートがある。
実際俺自身もそのルートを使い立体機動装置を手に入れた。だが立体機動装置を手に入れるには、目が飛び出るほどに多額の金が必要だ。
立体機動装置が手に入るほどの金を持ち、尚且つ立体機動装置の扱い方を知っているとしたなら、それは。
「プロの殺し屋だ。」
まずい状況になった。相手はかなりの強者。
リヴァイの低い声にヴェルディが顔を青白くさせた。ハンジはエルヴィンを見てどうするの、指示をくれ、と叫んでいた。リヴァイは冷静な判断を、と息を吐きエルヴィンを見上げる。