so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
「ジゼル様、こちらへ。空いているお部屋を案内致します。」
タイミングを見計らっていたのか、ヴェルディのもう1人の執事がジゼルにそう声をかける。
ジゼルは満面の笑みで大きく首を頷かせた。自分も、とジゼルの護衛役に当たっているリヴァイも呼ばれ2人で執事の後を追う。あんなことがあったばかりだからか、先程からジゼルを見詰めていた貴族もリヴァイの怒りを目の当たりにした為か、目を逸らし道を開ける。
好都合だ、とジゼルから一歩離れた貴族を見渡し、リヴァイは少しだけ心が軽くなったような気がした。
執事に案内された部屋は何とも簡易的な部屋。必要なものだけが置いてある部屋だがホコリ一つない部屋にリヴァイは少しだけ顔を和らげた。リヴァイとジゼルが部屋に入ったのを確認した執事は丁寧に頭を下げ、部屋を後にしていった。
「さっさと風呂に入れ。俺は此処で待っている。」
「は、はい!……あの、リヴァイ兵士長。一つお願いが、」
なんだ、とこちらを見たリヴァイにジゼルの肩が上がる。それでも、仕方が無いのだ。こればかりは自分ではどうもできない。
「……背中のホックを外してくれませんか?」
「……。」
呆れたリヴァイ兵士長の顔にジゼルはもう恥ずかしさなのかなんなのかわからないが自分の顔に熱が集まるのがわかった。背中の上にあるホックは自分がどれだけ頑張っても届かない。
今日はハンジさんが居たからどうにかなったけれど今ハンジさんは不在だ。なら、頼れる人はリヴァイ兵士長だけ。
「あたしじゃ届かなくて。…すみません。」
「…はぁ。いや、良い。気にするな。」
あっさりと引き受けたリヴァイはこちらに背中を向けたジゼルにひとつ、またひとつ近づく。
背中にちらばった長い髪をすくうように横に流したジゼルの項が色っぽく光る。伏し目がちにこちらを振り返り小さく笑うジゼルの果てしない色気にピクリ、と眉を動かしたリヴァイは慣れた手つきでホックを取る。
「慣れて、ますね…。」
「……は?」
「い、いえ!すみません…!」