so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
「綺麗な髪だなぁ〜?これは地毛かぁ?手触りもいい。」
「っ……きゃ、」
金色の髪を引っ張り脂ぎった頬に擦り付けるゲルゲルド。
エルヴィンも我慢の限界なのか拳を作り、ゲルゲルドを静かに睨んでいた。だがこの男は皮肉にも南領土の食糧地の領主。下手な事があれば調査兵団もタダでは済まない。だが、ジゼルの神秘的な髪がゲルゲルドに汚されていくのを見るのはもっと耐え難い。
エルヴィンが前に出て、この状況を穏便に片付けようとしたがエルヴィンの行動をジゼルが視線で阻止する。大丈夫です、と目が強く訴えていて。金色の双眸には強い光が宿っていた。エルヴィンは足を止め歯を食いしばりゲルゲルドを再度睨む。
「ジゼルゥ、お前は綺麗だなぁ?この髪もとても美しい。まるでどこかの女王様じゃねぇかぁ?」
「うげぇ……。」
ハンジが思わず声に出す。それも仕方が無いだろう。ゲルゲルドとジゼルの成り行きを眺めている貴族は相手がゲルゲルドだからか、何も言えずに青ざめた表情でジゼルを見ている。
「あの、辞めて貰えませんか?」
スラリ、と透き通ったジゼルの声にゲルゲルドの顔が一瞬で真顔になり、次の瞬間には顔を怒りで真っ赤にさせ、プルプルと震え始めた。
歯をカタカタと鳴らせジゼルの一言でプライドをぐちゃぐちゃにされたゲルゲルドはあろう事かジゼルを突き飛ばす。
それは一瞬の出来事で。何が起きたのかわからなかったジゼルは突き飛ばされた勢いのまま後ろに下がる。
「……ッ。」
……い、痛くない。尻餅でも着くだろうと覚悟していたがいつまで待っても痛みはあたしを襲わず、不思議に思い瞼を開けるとリヴァイ兵士長があたしの肩を寸前のところで掴んでいた。
ありがとうございます、とお礼を口にしようと顔を上げたがその言葉は喉に飲み込まれる。リヴァイ兵士長のこめかみには青筋が浮かび上がり、刃物のように鋭い眼光を宿していた。
そしてふうふう、と鼻息の荒いゲルゲルドを睨んでいる。