so ist es immer【Levi dream】
第1章 in the light of the earth
不機嫌極まりないとでも言うかのように冷たくそう言い放った上官、リヴァイを阻止するべくリヴァイの部下達が一斉にリヴァイを止めようとあたふたしながらも、
「リヴァイ兵長!落ち着いてください!!」
と次々と声を掛ける。リヴァイは気に入らなかった。この作戦も、この作戦内容も。何処かの知らないクソガキに振り回される調査兵団組織に、過酷な労働を虐げられる部下。仲間思いで部下思いなリヴァイだからこその行動にピクシスは観念したかのようにしてその瞳を伏せた。
「リヴァイ、お主は落ち着きがないのう。まあそんなお主だからこそ部下達は着いていくのだろうが」
「……何が言いたい」
「エルヴィンの指示は間違えてはおらんかった、と申しておる。まだ分からぬのか、リヴァイ」
そういったピクシスはミカサとアルミンに目を向ける。リヴァイもその視線を追うようにして後ろにいる部下を見据えるとミカサはその切れ長の瞳を大きく見開かせ、アルミンはその丸くて愛らしい瞳から涙を流してある一点を見詰めていた。
リヴァイも追うようにして三白眼をある一点に向ければ、その瞬間目眩がした。脳が錯覚したようにして彼はその鋭い三白眼を見開く。普段感情を表に出さないリヴァイ、その表情が珍しいのかピクシスは至極愉快そうに黒髭を弄り、目を見開くリヴァイを見詰めた。
「アシュリーの娘、ジゼル・アシュリーなら此処に居る」
そしてピクシスは長い廊下の奥底、階段の上で佇むジゼルを見上げた。真っ白な空間の中、艷めく金髪の腰下まである髪はジゼルを妖艶に見せる、がその大きくて艶やかな金色の瞳はジゼルは純粋そのものだと思わせた。リヴァイは見たこともないその容姿と雰囲気に一瞬で圧倒される。まるで、天使の様だ、と柄にもなく思った。
「あ、の……あたしがジゼル…です」
多くの視線を浴びたジゼルはどう対応していいのかわからずペコペコ、とまるでことりのような仕草で頭を下げる。その愛らしい姿にリヴァイの部下達ははあ、と息を吐いた。それはジゼルの美しさゆえの溜息で、なんの汚れも知らぬようなその瞳に映った兵士達は胸を締め付けられる。……こんなにも美しい人間が存在するのか、と思ったのだろう。
「……っ!!!ジゼル!!!!」
その中でアルミンが涙を流しながら名前を呼ぶ、とジゼルは兵士の中でも顔の知っているミカサとアルミンに目を向ける。