so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
そしてタイミングを見計らったかのように騒がしかった演奏が止み、舞うように踊っていたジゼルが会場からこちらに向かって歩いてくる。
人混みを避けるようにしてジゼルをエスコートする手慣れた様子のレヴィにハンジは親指を立てた後、ジゼルに駆け寄っていく。
「マイエンジェール!!ジゼルゥ〜、楽しかったかい?」
「っ、はい!とっても楽しかったです!」
少し額に汗をかいているジゼルはスッキリしたような顔つきでハンジに笑みを見せた。エルヴィンはジゼルの笑顔に小さく頬を緩ませ、それは良かった、と笑う。
「ジゼル、俺も楽しかった。久しぶりにダンスを踊ったよ。ありがとう。」
「は、はい。レヴィ、こちらこそありがとう!」
「また王都に来て。その時は是非歓迎する。」
「はい!」
おいおいおいおい。いつの間にこんなに親しくなったんだ。目の前でジゼルの手の甲にキスを落とすレヴィに目を見開く。
満更でもなさそうだな、と心の中でレヴィに問う。さっきまでとは明らかにガキを見る目が違う。それはエルヴィンも分かったのか苦笑いしながら2人のやり取りを見詰めていた。
レヴィは暫くジゼルと言葉を交わした後、レオンに呼ばれどこかへといってしまった。
「とんだ茶番だな。」
「リヴァイ、男の嫉妬は醜いよ。」
「馬鹿言え、クソ眼鏡。」
隣に立っていたハンジの足を思いっきり踏んずけた後、任務を果たすべくガキの肩を抱けばすぐ様自分を見上げる金色のキラキラとした宝石のような双眸に一瞬息が詰まる。
「リヴァイ兵士長、あたし踊れる様になりました!」
「見れば分かる。」
「ふふ、リヴァイ兵士長もまた今度一緒に踊りましょうね。」
「お、いいねぇ、ジゼル!ジゼルからのお誘いだなんてリヴァイってば光栄じゃん!!リヴァイは貴族の夫人たちから大人気だから基本的なダンスなら踊れるんだよ、意外だよね。こんな怖い顔して。エルヴィンにみっちり仕込んで貰ったんだって。」
「クソ眼鏡、余計な事を言うな。」
「なら尚更、一緒に踊ってみたいです。リヴァイ兵士長。」
「断る。」
こいつは賢い女だが時に大胆な所がある。ダンスなんざ踊りたくて踊っていたわけじゃないし貴族の夫人の相手を無理強いさせられたときにエルヴィンに強制的に仕込まれた。だが今ダンスを踊れと言われれば自分は全力で拒否するだろう。例え相手がこいつでも。