so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
基本的に招待された貴族しか参加が許されていないが紛れ込むことは可能っちゃ可能。極めて困難な事でもない。
「リヴァイ、もしジゼルが攫われたら、」
「随分と心配するな、ハンジ。あいつの母親にでもなったつもりか?」
「え?んー、なんて言うんだろ、ずっとジゼルの傍にいてたから母性本能でも湧いちゃったかな?」
「お前でも湧くのか。」
「そりゃあねー。なんてったってあの人類最強が気にかけてる女性だし、余計。」
「……安心しろ、殺すことに関しては間違いなく。問題は誰がどう言った目的でガキを連れ去ろうとしているのか、だ。」
目立たないようにしてよ、というハンジに自分は今どんな顔をしていただろうか。だが、それでも自信はあった。あのガキを守る自信だけは。
一番厄介なのは貴族の豚共が集まる中、どういった方法で攻めてくるのか。それともエルヴィンの考え過ぎか。何も無いことに越したことはないが、それでも妙に胸騒ぎがして吐き出すように小さく息を吐いた。
「はは、楽しそうじゃないか。」
ヴェルディとの話が終わったのかエルヴィンが横につく。その顔は比較的穏やかでエルヴィンの言葉通り楽しそうに踊っているジゼルとレヴィを捉えている。
「エルヴィン、もう話は終わったの?」
ハンジがエルヴィンに目を向ける。リヴァイも追うようにしてエルヴィンを見ればエルヴィンはリヴァイを一瞥した後、会場の真ん中で踊っているジゼルとレヴィを眺めた。
「うむ。縁談は白紙にしてもらった。」
「さっすが、エルヴィンだ!でもヴェルディ・クロウドがよくその話に首を縦に振ったね。あんだけジゼルとレヴィをくっつけさせたがってたのに。」
「まあ正直危なかったのは事実だ。だがレヴィも縁談に乗り気じゃなかった事が唯一の救いだった。ヴェルディも一人息子が可愛いのだろう。最終的には息子次第だから、と快く身を引いてくれたよ。」
「ふうん。まあ、レヴィも不思議な子だよね。」
「うむ。ジゼルとの縁談話を断る男がいるとはな。ジゼルよりも夢中になれる何かに興味があるのは事実だがそこまでの深入りは良しておこう。」
リヴァイは壁に背を預けながらエルヴィンの話に耳を傾けていた。頭の中に浮かぶのは白百合のように微笑むジゼル。脳裏に思い浮かぶのはいつもジゼルで。縁談が白紙になったと聞いてどこか途轍もなく、安心している自分がいた。