so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
「息子、…レヴィとの縁談を考えておる。」
「え?」
「……は?」
ジゼルと自分の口からは間抜けな声が零れる。レヴィと呼ばれた男は縁談を聞かされていなかったのか宙を眺めていた視線をジゼルに移し、そしてヴェルディ・クロウドに移す。
「父さん、今日は晩餐会に参加するだけでいいと言っただろう。縁談なんて聞いてない。それに俺はまだ結婚する気もない。」
漆黒の髪に漆黒の瞳。……雰囲気だけではなく顔立ちまで少しリヴァイ兵士長と同じだ。リヴァイ兵士長よりかは和らいでいるが鋭い眼光をヴェルディさんに向けるレヴィさん。
ピリピリとした空気が張り詰め、あたしの額には汗が浮かぶ。縁談だなんて、聞いてない。それにあたしは調査兵団で新型立体機動装置を沢山作成するという任務がある。
この仕事には誇りを持っている。そしてこの仕事が大好きで、あたしの生き甲斐だ。だから、レヴィさんが言うようにあたしも結婚する気は、ない。
「レヴィ、お前もいい歳だ。今すぐジゼルに縁談を持ち込むわけではない。……その様子だとジゼルもレヴィと同じ気持ちだろう?」
「あ、えっと…、あたしは、」
「無理せんで良い。急な話だからな。見ての通り息子は愛想が悪く口も悪い、そして暴力的で自分も貴族だと言うのに他の貴族とは相性が悪いという始末。もう三十路になるのに結婚どころか、パートナーも居ない。」
「……。」
益々リヴァイ兵士長にそっくりだ、と隣のリヴァイ兵士長を見上げればリヴァイ兵士長は眉根に深い皺を寄せヴェルディさんを容赦なく睨んでいた。その鋭い三白眼が細められ、殺気を宿すリヴァイ兵士長は舌打ちを落とし唇を開く。
「おい糞ジジイ。お前の脳ミソん中はどうなってやがる。このガキの義父は領土南部最高責任者のピクシスだ。お前にその意味がわかるか。」
「左様。駐屯兵団司令官の娘となれば一筋縄ではいかんだろうな、そんな事くらい私も理解しておる。それを承知の上でレヴィとの縁談を持ち掛けた。」
腸が煮えくり返る様な錯覚だ。
貴族は自分より地位の高い貴族と結婚するのが暗黙の掟。上位貴族となれば経済は安定している為そこまで慎重になる必要はないが、ガキには盛大な資産がある。それは紛れもなくガキの父、アシュリーが遺したもの。