so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
「ジ、ジゼル・アシュリーです。宜しく、おねがいします。」
「そんなに緊張せんでも良い。何もお主を取って食おうなんて思っちゃいない。ただお主の父、アシュリーが遺した愛娘を一目見ておきたかったんだよ。」
「……父をご存知なんですか?」
「うむ。アシュリーはさぞ有名だったよ。人類の糧となる立体機動装置を開発した男なのだから有名なのは当然だが。私も随分と世話になった。」
人柄のいいヴェルディ・クロウドはジゼルに優しい笑みを向ける。ジゼルはすぐ様緊張が解れたのか肩の力を抜き安心したように微笑んで小さく頭を下げる。この世には居ない父の事をここまで思ってくれていた事が嬉しかったのだろう。
だが、ひとつ引っ掛る。
「おい、何が目的だ。このガキに礼を言いたいならこんな大層な持て成しをする必要はなかったと思うが。」
リヴァイは容赦なく上位貴族を威嚇する。当たり前だ、リヴァイにとって貴族だろうが関係ないのだ。
執事のレオンが目を見開く中、ヴェルディ・クロウドはお手上げだと言うように手を上にあげ小さく微笑んだ。
「お主がかの有名なリヴァイ兵士長か。勿論存じ上げている。」
「……答えになっていないが。」
「まあそう焦るな、しかしエルヴィンがまさかジゼルのエスコート役に君をを選ぶとは。噂では相当頭が切れるらしい。君がジゼルのエスコート役をしていたら他の貴族は相当肝の据わった人間しかジゼルに近付けん。油断も隙もない男だな、エルヴィン・スミスという男は。」
「そういう事は俺じゃなく、エルヴィンに言え。で、何故わざわざくだらない晩餐会とやらを開く必要があった。」
おかしいと思っていた。このガキに礼を言いたいのなら調査兵団本部にでも来て頭を下げればいい。上位貴族なら容易い事だ。それなのにわざわざ規模の大きな晩餐会を開き、このガキを歓迎したのか。
目の前に座る垂れ目がちの目をさらに垂らしたヴェルディ・クロウドは隣に座っている男を見る。……確か、こいつの息子か、とリヴァイが視線を移せばとんでもない言葉が落ちてきた。