so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
「お話の途中失礼致します。ジゼル・アシュリー様でございますか?」
嗄れた声に目を向ければそこには白髭をはやした男が立っていて。黒のスーツを着ているところを見ればこの男が今日の司会者なのか。……となれば。
「クロウド公爵の使いか。」
「おや、既に存じ上げていましたか。流石はリヴァイ兵士長。では矢張り貴女がジゼル・アシュリー様ですね?」
「は、はい。」
「お初にお目にかかります。私、レオン・バッハルトと申します。旦那様があちらでお待ちですのでご一緒願い頂けますでしょうか?」
洗礼された動作で執事が奥の方へと目を向ける。そこにはクロウド公爵が座ってこちらの様子を見詰めていた。クロウド公爵は王族の親戚、つまり上位に位置する貴族であり親戚である王族との関係も良好で、その人柄ゆえ周りからの信頼性も高い。
貴族の連中にありがちな欲深い人間が居らず、珍しい人種の貴族。このガキも直ぐに打ち解けるだろう。
ジゼルとリヴァイはクロウド公爵の元へと足を歩める。ジゼルはこの晩餐会を開いた貴族と対面するためか緊張気味だ。リヴァイはジゼルを抱く肩の力を強くし、隣にいるジゼルを見下ろす。
「一瞬の隙も見せるな。」
「…っ、はい!」
耳元でそう言われたジゼルは自分の顔に熱が集まるのを感じながら胸元を握り前を見据える。その様子を見たリヴァイは目を細めクロウド公爵の前に立つ。クロウド公爵はその性格が滲み出ている優しい顔つきでジゼルを見詰め小さく頷いた。
「ジゼルよ、よく来てくれた。お主の勇気に感謝する。私はヴェルディ・クロウド。こちらは息子のレヴィだ。」
レヴィと言われた男はジゼルには興味が無いのか、高級そうなソファーに座ったまま宙を眺めていた。そしてジゼルはふと思う、何だかリヴァイ兵士長に雰囲気が似ている気がする、と。