so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
ジゼルは首を傾げながらエルヴィンとリヴァイを交互に見るが話の内容が分からない。視線を泳がせるジゼルにエルヴィンは小さく笑う。
「ジゼルはリヴァイの傍を離れるな、いいね?」
「は、はい!」
その言葉に頷いたジゼル。それと同時にモブリットから馬車の手配が完了したと言われジゼルとエルヴィンとリヴァイは馬車に乗り込む。
後からモブリットに抱えて馬車に乗り込んできたハンジの顔にはリヴァイの靴の跡が色濃くついていて。はー、容赦ないなぁリヴァイは、とニヤニヤ笑いながら言葉を紡いだハンジにリヴァイは眉根に皺を寄せたが窓の外に視線を投げた。
自分の心を読み取るハンジに嫌気が差す。自分の心の中を読まれる事は嫌いだ。特に自分でも区切りがついていない感情の在処を既に突き止めているハンジなら尚更。
「いやぁ、それにしてもジゼルはほんっと綺麗だよねぇ。アシュリー博士も美形だったけど。ジゼルはお母さん似なの?」
「母のことはあまりよく覚えていませんが、父はあたしは母に似てるとよく言っていました。」
「そうなんだ!じゃあ美形家族だったんだね!ジゼルのその美貌にも納得が行くよ。」
「……褒めすぎです、ハンジさん。」
「照れちゃって可愛いなぁ~。」
あまり母の事は覚えていない。母はあたしが3歳になったと同時に亡くなったと聞いている。元々病弱な体質だった為、母の顔を見た事も母の声を聞いた事もない、あたしの記憶上では。
父は美形だったがあたしはあまり父に似てると言われた事がない。髪色は瞳の色は父親譲りだけれどその他のパーツは多分、母似なんだと思う。正直、父の事もあまり覚えていないのが事実だ。
父と過ごした日々もそう長くはない、大切に育てられた記憶はあるがある日を境に父はあたしを地下室へと閉じ込めてしまった。それから何度か会いに来てくれてはいたが正直それはほぼ曖昧に近い。
あの日のあたしは自分自身の事で精一杯だったから。
暫くハンジとエルヴィンと他愛もない会話をしていたジゼルは馬車が止まった事を知る。振動が伝わらなくなり周りを見渡せばそこはとても賑やかで。
「す、すごい……!」
始めてきた王都に目を輝かせたジゼルにリヴァイは小さく口角を上げた。