so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
「物好きな奴だな。まあいい。もうそろそろ寝ろ。明日も早い。」
「そうですね。ではおやすみなさい、リヴァイ兵士長。」
「いや、送る。」
「……え?あ!そっか、部屋隣ですもんね。ふふ、すみません、まだリヴァイ兵士長と自室が隣だって実感無くて……。」
そういいながらリヴァイ兵士長の隣に並んで歩く。エルヴィン団長から預かっている倉庫の鍵をかけると冷たい風が頬を掠めた。自分の部屋の隣がリヴァイ兵士長だなんて正直まだまだ実感がない。なんだかむず痒い気持ちを抱えながらも歩き慣れた廊下を歩く。カツカツ、と2人の足音だけしか聞こえない音に変に緊張しながらもあっという間に部屋の前に到着する。
くるり、と振り返ったジゼルは無表情でジゼルの行動を見守るリヴァイを見上げるような形でにこり、と小さく微笑む。
「リヴァイ兵士長、ありがとうございました。」
「いいか、窓の鍵も閉めておけ。またいつ襲われるか分からねえ。いくら自室が隣だと言っても油断はするな。」
「心配してくれてるんですか?」
「……余計な手間を増やしたくねえだけだ。」
「ふふ、わかりました。じゃあ、おやすみなさい。」
「ああ。」
そう言って扉を閉めたジゼルを見送ったリヴァイは隣の自室へと足を踏み入れる。兵舎は比較的壁が薄いためジゼルの部屋で何かがあれば直ぐに駆けつけることができる。
あの事件以来、ジゼルの部屋へと神経を研ぎ澄ましていたリヴァイは小さく息を吐いた。
この前ジゼルを助けられたのは運でしかない、いつ何があってもリヴァイが助けにいける状況だとは限らないのだ。エルヴィンが早く犯人の手掛かりを見つけてくれるよう願いつつもリヴァイはジャケットをハンガーにかけて汚れひとつない部屋を見渡し、ソファーにどかり、と腰掛けた。
青白い月光に照らされたリヴァイの端正な顔立ち遠くで眺める物陰が二つ。訓練の森から気配を消しリヴァイを殺気立つ眼差しで眺めていた黒い物陰は不気味に微笑んだ。そして暫くして深い暗闇の中へと姿を消したのだった。それらは怪しげに笑う。
これから始まるであろう悲劇を想像しているかのように。