so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
リヴァイは必死に否定するジゼルを暫く見詰めたあと三白眼を細め少し欠けている月を見上げた。冷たい風がジゼル達を包み込む。それは静かに、守るように。
「大切にしたいものほど大切に出来ねえのはなんでだろうな。」
「よく分かりませんが大切にしたいものほど空回りしてしまう事は確かだと思います。だけどそんな事どうしてあたしに…?」
「……悪かった。」
「…………え?」
「言葉で伝わらねえのなら痛みでお前に分からせてやろうと思った。俺のやり方はいつだってこうだ。力で暴力で相手を捩じ伏せる。まさかお前にまで手を上げるとは思ってもみなかったがな。俺なりに大切にしているつもりだったんだがどうやら長年染み付いてきたこの癖は抜けねえらしい……って言い訳にしか聞こえねえな。」
「リヴァイ、兵士長?」
「大切にしようとすればする程それは空回る、お前の言った事はあながち間違いじゃねえ。」
「……」
「悪かった。」
「ふふ。リヴァイ兵士長、そんなに謝らないでください。」
「…なにがおかしい。」
「リヴァイ兵士長と仲直りできたことが嬉しくて。」
「……」
そう言いながら微笑むジゼルにリヴァイは目を見開いた。ああ、そうだ。俺はずっとこいつのこの顔が見たかった、この笑顔が見れなくなって数日間。まるで生きた心地がしなくて、色褪せていた視界が漸く色を取り戻したような錯覚に捕われる。
「リヴァイ兵士長、あたしの方こそあの時助けてくれてありがとうございました。リヴァイ兵士長が助けてくれなかったらきっとあたしは今ここにいない、だからずっとお礼を言いたかったんです。」
「よせ、やめろ。礼など不要だ。」
「これでお互い言いたいことははっきりと言えました。お互い後ろめたいことがあったからこその数日間だったんだと思います、それにあたしはもう気にしていませんからリヴァイ兵士長ももう気にするのやめてください。……そんな事よりも新型立体機動装置を試してくれませんか?」
「約束したな、分かった。試してやる。不良品だったら即ぶっ壊してやる。」
「ふふ、はい!何度も点検しましたから大丈夫です!…きっと。」