so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
しばらく続く沈黙。それはほんの一瞬だったに過ぎないのにリヴァイとジゼルからすればその沈黙は途轍もなく長い時間にさえ思えた。それくらい2人の間に壁が出来ていたということ。そしてその壁を作った元凶は紛れもない俺だと、リヴァイは拳を握った。
「はあ、またお前か。」
「……あ、す、すみません!」
謝るな、お前が謝ってしまえば意味がない。謝る必要がない。寧ろ謝らなければいけないのは……。
「お前の謝罪を聞きに来た訳じゃねえ。…また根暗の様に作業に没頭する気なのか?」
少しだけリヴァイ兵士長の顔が歪んだのは気の所為だろうか。彼の端正な顔立ちが小さく歪みそれはとても苦しそうで。見間違いか?と首を傾げながらも小さく深呼吸してこの状況を理解しようと頭の中を必死に働かせた。
「し、新型立体機動装置が完成したので最終確認を…。」
「っ、いつ完成した?」
「愛馬のお世話を任された時です。まず1番にリヴァイ兵士長に報告したかったんですが、その…、すみません。」
リヴァイ兵士長に完成したと伝える気でいた。リヴァイ兵士長が新型立体機動装置を身につけ小さく笑いその鋭い目を少しだけ和らげた表情を思い出して、徹夜でも寝不足続きでも頑張ろうと心に決めていた。
だけどあたしの身勝手な行動が招いた食堂での件があってからリヴァイ兵士長と話す事なんて愚か、お互いがお互いを無意識に避けてしまっていたから報告が出来ずにいた。だから、エルヴィン団長に完成したと伝えに行こうと思っていての最終確認をしていたのだ。
「俺が怖いか。」
「……分かりません。」
リヴァイはジゼルを見て目を伏せる。行き着く場所のない感情達が彷徨い歩いているようだ。
「容赦なくお前の首を絞めた俺が憎いか?」
リヴァイの小さな声にジゼルは顔を上げ勢いよく首を横に振る。
「いえ、そんなことはありません。あの時言ったリヴァイ兵士長の言葉は決して間違ってはいません、元はと言えばあたしが招いた事です!」
リヴァイ兵士長が悪いだなんて思わない。ただリヴァイ兵士長の手ひとつで簡単にあたしの命の灯火が消えようとしていた、そんな現実があたしを襲ってしまいリヴァイ兵士長を見ると息が詰まり、苦しくなっただけ。