so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
かしゃり、と鳴り響く金属音と紛れて近づいてくる足音に動きをとめた。息を潜め新型立体機動装置を抱き締めるジゼルは怯えた表情で倉庫の扉を眺めた。
……誰か来る。こっちに向かってきているの?つい最近知らない男達に乱暴をされた後だからかジゼルは咄嗟に身の危険を感じ息を飲み込み目を瞑った。
開く。扉が、開く。
すぐそこまで来ている足音はピタリ、と止んだ。それはこの扉の向こうに誰かが居るという事で。ガラリ、と容赦なく開け放たれた扉から視線を外し目を瞑る。
「………………あ?」
「っ、ひ……っ。」
低い男の声に肩をビクつかせたジゼルだったが何故か聞き覚えのあるその声にうっすらと目を開けた。そこには心底不機嫌そうな顔でジゼルを睨むリヴァイが居て。鋭い視線がジゼルを突刺す。思わぬ人物の登場にジゼルは新型立体機動装置をそっと音を立てずに床に置くと胸を撫で下ろした。
リヴァイは片眉をぴくりと上げつつも思わぬ展開に小さく舌打ちを落とす。月光が辺りを照らし始めた頃、いつも通り仕事を終え自室へと向かったリヴァイはふと倉庫に目をやった。リヴァイの部屋の前に設置されている窓と開発部と技術部が普段作業している倉庫はちょうど向かい側で。
オレンジ色の光が窓からこぼれていることに気がついたリヴァイは面倒臭げに舌打ちを落とす。今思えば言える、胸を張って言える。この時は頭が回っていなかった、と。単なる言い訳に過ぎないがこんな夜中に倉庫に来て作業を始める変わった奴は一人しかいないと言うのに。
リヴァイはここに来るのが当たり前になっていた自分に心底驚き、そして目の前で怯えたようにしてリヴァイを見上げるこの金色の彼女がリヴァイの中で自分が思うよりもはるかに大きな存在となっていた事を実感し、息をするのを忘れた。