so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
「リヴァイ兵士長、体調悪いですか?」
「至って普通だが。」
「顔色が良くないです、あの、迷惑でなければ紅茶を淹れましょうか?この前リヴァイ兵士長が買ってくれたアールグレイ。リヴァイ兵士長に淹れる約束をしていたので。」
「お前は律儀だな、そんな約束まだ覚えていたのか。」
「はい。とても美味しかったので是非リヴァイ兵士長にも、と考えていたところなんです。」
「ほう、なら頼もうか。」
「はい!」
まだ少しぎこちなさを感じる2人だったがジゼルは小さく頷くと駆け足で自室に戻る、リヴァイがまさかの展開に小さく息を吐くとアールグレイの茶葉を持って扉を開けたジゼル。そのあまりの速い行動に一瞬息を止めるが冷静になって考えてみればリヴァイの執務室とジゼルの自室の距離はそう遠くはない。
走って取りに行ったのだろうジゼルの肩は少しだけ上下していて。リヴァイはジゼルに悟られぬよう小さく鼻で笑う。紅茶セットが揃ってある場所を指させばジゼルはまるで手慣れた手つきで紅茶を準備していく。
「……えっと、後はこうして、最後の一滴まで紅茶を、」
ぶつぶつと言いながら真剣に紅茶を淹れているジゼルの姿がおかしくて書類を端に寄せたリヴァイは小さなジゼルの後ろ姿を眺めていた。彼女が動く度に揺れる金髪が輝いていて、まるでそれはスローモーションの様だった。
暫くして紅茶との葛藤は終わったのかジゼルが緊張気味にリヴァイの目の前に紅茶を置く。カチャ、という小さな音と共に置かれた紅茶から鼻を刺激する上品でいて華やかな香り。アールグレイを初めて飲むリヴァイは赤茶色に揺らめく紅茶を眺めた後、口に含む。
ジゼルは肩をあげたままリヴァイの反応を待っていた。
「悪くない。」
「はあ、…良かった。」
リヴァイの悪くないは褒め言葉だとハンジに聞かされていたジゼルは胸を撫で下ろす。リヴァイの淹れた紅茶は絶品だと聞く。だからそんなリヴァイに喜んで貰えるようジゼルは必死に紅茶の淹れ方を勉強していたのだった。どうやら合格だったらしいリヴァイの言葉に息を吐いたジゼルはこれ以上邪魔はしていけないと小さく頭を下げた。