so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
リヴァイは溜まっていた書類を引き出しから引っ張り出す。彼の性格上机の上に物を置くのを好まず大切な書類もそうでない書類も纏めて引き出しにしまう癖がある。リヴァイはしわくちゃになった書類を掌で簡単に伸ばすと書類を見下ろした。
そして書類に書き綴られているそのどうでもいい内容に思わず舌を鳴らす。そんな手慣れた作業を繰り返していくが頭の中は全然冴えなくて。集中力がまるで続かず椅子に深く凭れた。
「あの、リヴァイ兵士長……。」
「…………何故お前がいる。」
「あ、す、すみません。ノックをしたんですけど返事がなくて。」
この部屋に入ってきた甘い匂いに意識が持っていかれそうになった。久しぶりに対面したような気がして、久しぶりにその金色に自分を映したジゼルは腰下まである金髪を揺らした。ノックにすら気づかなかった自分を嘲笑ったリヴァイはそれを悟られぬようにちょこんとリヴァイの執務室の入口で佇む。金色の大きな双眸が不安そうに揺れながらリヴァイを見詰めていた。
「何か用か。」
「エ、エルヴィン団長から急ぎの書類があると預かってきました。これを今日中に仕上げて欲しいとの事です。」
「ああ、分かった。そこに置いといてくれ。」
「は、はい。」
わざとジゼルを寄越してきたエルヴィンに心の中で盛大に舌打ちをしたリヴァイは遠慮気味にこちらに歩いてくるジゼルを見て思わず顔を顰めた。何をそんなに気を遣っている、と口を開きかけたがその言葉は喉奥に引っ込んだ。気を遣わせているのは紛れもない自分。
今のジゼルの態度は自分が招いてしまった事の有様。
「……なんてザマだ。」
思わずでた独り言にジゼルは首を傾げるがリヴァイは一切こちらを見る気配はなくジゼルはリヴァイの書類が積み重なっている横に1枚の紙を静かに置いた。リヴァイはそんなジゼルの動作を眺めているとジゼルの金色と間近で目が合う。
ぱちり、という効果音でもあってもおかしくない様なぴたりと合った視線にジゼルは目を大きく見開かせた。気を抜けば呆気なく吸い込まれてしまうんじゃないのかと言うほどの魅惑的な金色の中には僅かに目を見開いたリヴァイが居た。