so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
「朝から煩えな、クソ眼鏡。そして邪魔だ、退け。」
食堂に響き渡る低くて透き通る声にジゼルは肩をゆらした。声の主を見るとそこには案の定リヴァイが機嫌悪そうにハンジを睨んでいて。興奮気味のハンジに軽く蹴りを入れながらそういうリヴァイは一切こちらに視線を移さずジゼルもバレない程度に視線を落とした。
リヴァイは気まずいと体全身で伝えているジゼルにちらりと目を向けるが直ぐにジゼルから視線を逸らし小さく息を吐いた。ジゼルの首元に貼られた湿布が今日も自分の目を引き後悔なのか何なのかリヴァイは拳を小さく握る。
「やあ。リヴァイ。おはよう!!邪魔とは失礼だなぁ、それより今から朝食食べるの?一緒にどう?ジゼルについて愛を語り合おう、うん、それがいい!そうしよう!!」
「あ?俺はたった今食ってきた。今から仕事だ。」
「ふぅん、忙しいねぇ。ま、いいや。じゃあジゼル!私達もさっさも食べてしまおう。」
「は、はい!…え、っと、リヴァイ兵士長。」
金色の瞳がリヴァイを捕える。リヴァイはまさか話しかけて来るとは思わず僅かに目を見開く。
「なんだ。」
「あの、…お、おはようございます。」
「……ああ。」
彼女の自分に向けられた言葉は短いもの。だが、今はそれでもいいと思った。暴力的な自分の性格はそう簡単に治らない。昔から暴力だけが全てだと叩き込まれてきたリヴァイはか弱すぎるジゼルの扱い方が全く持って分からなくなっていた。
少し触れただけでこいつは壊れてしまうんじゃないかという錯覚に囚われるほど儚い彼女に目を伏せてそう返事すればジゼルはハンジと一緒に騒がしい食堂に足を踏み入れていったのだった。