so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
リヴァイが踵を返せばハンジは葡萄酒をあけ、2つのグラスに勢いよく酒を注いだ。エルヴィンは冷や汗をかきながらどうにかして言い訳を考えているようだ。
「巨人と人間はなにか深い繋がりがあるのかもしれないと思うんだ!なぜなら、」
「………………」
葡萄酒を勢いよく口に含んだハンジは目を据わらせながら巨人を思い出しているのか口をだらしなく開け語り始める。リヴァイのやつ…、とエルヴィンは颯爽と食堂を出ていったリヴァイを思い出して肩を落とす。だが、まあ仕方がない。ハンジの仮定は案外当たる。良くも悪くも人類の謎に近づくその一歩だと思うことにしたエルヴィンは葡萄酒を口に含み早口で語るハンジの言葉に耳を傾けた。食堂には永遠と続くハンジの実験で得た仮定とエルヴィンの相槌をする声が響き渡っていた。
真っ白なベッドに金髪を散りばめさせながら眠る少女を静かに見下ろした三白眼は少しだけ穏やかな色を宿していた。先程とは違いこちらまで聞こえてくるジゼルの息遣いに目を細める。あの時彼女が攫われないですんだ、彼女の存在を腕に抱いた時、自分らしくもなく涙が出てきそうになった。わかってる、初めてなこの感情の在処も全て。その意味も理由も、理解している。だが彼女の涙と、頬に伝った涙の跡、そして金色の大きな瞳がリヴァイを移した時その目に映るのが拒絶だったらきっと、耐えられない。自分はいつからこんなに弱くなったんだ、と自嘲気味に笑ったリヴァイ。
リヴァイは散りばめられた金髪に手を伸ばし柔らかなその感触を堪能したあと静かに踵を返していった。薬品のきつい匂いが鼻を掠めその薬品の中に混ざるジゼルの甘い匂いはリヴァイの心をどこかとても軽くさせた。
「ジーゼールー!朝だよー!起き……って、なぁんだもう起きちゃってたんだね。」
「わっ、…びっくりした。ハンジさん、おはようございます!」
エルヴィンに言われた通りハンジが医務室にいるであろうジゼルがいる扉をお構い無しに開ける。ジゼルはもうすっかり元気で今日からいつも通りの仕事に取り組めるらしい。成る可くジゼルを1人にはしないという条件付きで。ハンジはモブリットに執務を押し付けジゼルとの時間を共有できることが嬉しくて朝からニヤニヤしっぱなしだ。モブリットは頭を抱えていたがジゼルの事情をエルヴィンから聞くと書類仕事をテキパキとこなしていった。