so ist es immer【Levi dream】
第4章 intertwined feelings
リヴァイが殺したあの黒ずくめの男の正体は分からぬまま。なぜあの時殺してしまったんだ、という言葉を飲み込んだハンジは目を伏せた。リヴァイのあんな姿は久しぶりに見た。ファーランとイザベルの死体がリヴァイの目の前で転がった時以来かもしれない。あれ以降リヴァイは部下を作ったとしてもその部下とどこか一線を引くようになった。部下思いなのは相変わらずだけど、それでもリヴァイの立場になりリヴァイの気持ちになろうとすればする程胸が痛くなった。
自ら壁を作り部下との距離を必要以上に縮めさせないリヴァイ。ファーランやイザベルは本当の家族の様に信頼していた為リヴァイの表情は今よりもずっと柔らかかったがファーランとイザベル、二人同時に失ってしまったリヴァイは元々硬い表情筋をさらに硬くさせた。誰よりも仲間思いなのは分かっている、だがリヴァイの遠回りした優しさを知るものはまだ殆ど居ないだろう。
「ハンジ、明日の朝ジゼルを医務室に迎えに行ってやってくれないか。」
「それはいいけど、私でいいのかい?」
「ああ。頼むよ。私は兵舎の警備をより頑丈にするよう新兵に伝えておく。」
調査兵団の門には厳重とまではいかないが毎年新兵が朝昼晩と交代しながら見張り番をしている。だからこそ男たちがどうやって兵舎まで侵入できたのか、それすらも分からなかった何もかも不可解なこの状況にエルヴィンは持ち前の判断力で頭を働かせる。リヴァイは空になった皿を見下ろしちっと鬱陶し気に舌打ちを落とし席を立つ。
「もう寝るの?ねえ、久しぶりに飲もーよー。3人集まってるんだしさ。」
ハンジがどこから持ち出してきたのか葡萄酒を手に取りにひひ、と笑う。リヴァイは怪訝そうに顔を歪めてへらへらと笑うハンジを見下ろすと却下だ、とでも言うかのようにして息を吐く。
「お前の酒癖の悪さは異常だ。エルヴィンに付き合って貰え。」
「ちぇー釣れないなぁ全く。あーつまんないつまんないつまんない!じゃあいいよ、もうエルヴィンに付き合ってもらう。エルヴィン、研究についていくつか分かったことがあるんだ、それらの答えを合わしながら私はこう仮定してみたんだけど、」
「いや、ハンジ、悪いが私はこれから残った執務を…、」