so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
「食べさせてもらったよ、とても美味しかった。ジゼルのおかげで明日の仕事が捗りそうだ。」
「ふふ、それは言い過ぎですよエルヴィン団長。だけど食べてくれたんですね、良かったです!」
「ウィンドウの世話もありがとう、ジゼルにはいくら礼を言っても足らないな。」
参ったな、というように顎に手を置くエルヴィンにジゼルは笑顔のまま首を横に振る。ジゼルにとって愛馬の世話は何よりも楽しかったし何よりも癒された時間だった。寧ろ礼を言いたいのはジゼルの方だった。魚の件もエルヴィンの美味しかった、という自分の求めていたその言葉にすっかり気分を良くしたジゼルは鼻歌でも歌ってしまうんじゃないのかというほど上機嫌でエルヴィンを見上げた。
「ジゼルー!エルヴィンにばっかそんな笑顔を見せちゃダメだよ。私も魚食べたよ、とっっても美味しかった!ジゼルの愛が込められてるから尚更だね!トイも喜んでくれてたしまたトイの世話を任せるよっ。」
「ハンジ、ジゼルに任せるのはいいがたまには自分で愛馬の世話くらいしないと万が一の時、壁外に置いていかれるかもしれない。」
「分かってるよー。」
降参、と手のひらを上にあげたハンジにジゼルは笑う。そんなジゼルを見て目を伏せたエルヴィンが息を吸った。
「ジゼル、私は仕事に戻るが夕食はどうする?医務室に持ってくるか?」
「いえ、ちょっと疲れたので今日は眠りたいです。」
「そうか、そうだな。状況判断もまだついていないだろう。ゆっくりと休みなさい。」
「はい!ありがとうございます、エルヴィン団長、ハンジさん!」
「じゃあね〜、ジゼル!また明日来るからね!」
大袈裟に手を振るハンジさんと頬を緩ませたエルヴィンに微笑みかけたジゼルはこくり、と頷く。エルヴィンは団長室に籠り、今日の出来事について整理していかなければならない。リヴァイが殺したあの男達の身柄を取り押さえたのはいいが相手はもう何も話せない屍。だがまたジゼルがいつ襲われるかわからない今、ジゼルから目を離すのは最も危険だ。成る可くジゼルを1人にするなという命令を早速実行したハンジに感心するエルヴィンだが、ハンジの事だから命令関係なしに本能のまま動いているのだろう、とある意味また違う関心を示した。