so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
「……っ、ああ、ハンジか。ところでジゼルは目を覚ましたのか?」
ハンジがタイミングよくカーテンをあけたことによって呆気にとられたエルヴィンは間をあけて言葉を紡ぐ。満面の笑みでエルヴィンを迎えたハンジはジゼルに見えないように親指を立てた。それはジゼルはもう心配いらない、と言う意味で。長年の付き合いがあるエルヴィンはその意味を理解し小さく息を吐き出した。
「ジゼル、具合はどうだ?」
白いカーテンの向こうから現れたエルヴィンに息を飲む。また、エルヴィンもベットに腰掛けた状態のジゼルを見て目立った外傷はない、あとは本人の精神の問題だろう、と瞬時に察する。
「エルヴィン団長、ご迷惑をおかけしてすみません…。具合というか、もう全然大丈夫です。この通り、元気です!」
「迷惑だなんて思っていないさ。君は大切な調査兵団の一員。団長が部下の心配をするのは当たり前の事だからね。」
「ありがとうございます…。」
ぺこりと小さく頭を下げたジゼルに頬を緩ませたエルヴィンはジゼルの頭に手を置きゆっくりと撫でる。不意にジゼルは違和感を感じた。夢の中で頬を撫でてくれた手つきとは違ったその感触に目を細める。あんな優しい触れ方をするのは誰だろうと思う反面、知りたくないとも思ったジゼルは目を細めてエルヴィンの手の体温を堪能した。
「ジゼル、ハンジからもう聞かれたと思うがジゼルを攫おうとした人間に心当たりはないんだな?」
「はい、ありません。」
はっきりと言いきったジゼルにエルヴィンも大きく頷いた。ジゼルは他の人よりか遥かに地上を知らない、長い間地下室に閉じ込められていた。だからこそジゼルと接点のある人間はエレン達だけだと思っていた。ジゼルは恨みを買われるような人間ではない事であるのは確かだし他人との接点がないのも確か。だから、誰が一体どんな目的でジゼルを連れ去ろうとしたのか見当もつかなかった。
「そうか…、まあ無事でよかったよ。後、魚を捕ってきてくれたんだってね。何も知らなかったとはいえすまなかった。」
魚、というキーワードにパァっと満面の笑顔になったジゼルはふふ、と嬉しそうに笑う。