so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
僅かな意識がジゼルを現実へと引き戻そうとする、ジゼルはまだ眠っていたいという思いを必死に訴えるがそれでもクリアになっていく頭と視界。重たい瞼が震えジゼルの長い睫毛が揺れた。それと同時にジゼルの頬を撫でていた手がゆっくりと離れる。まるで壊れ物を扱うようなその手つき、まるで悲しそうな、辛そうな、苦しそうな、様々な感情を含めそれをジゼルに伝える様な触れ方にジゼルは目を開けた。
「……あ、ジゼル!?」
「……ハンジ…さん?あれ…、」
ジゼルが頬を撫でる。夢だったのだろうか。否、あんなにリアルな夢があるのだろうか。目を見開き、自分の頬を撫でるジゼルを見てハンジが苦笑いを零した。
「ここに、誰かいてませんでしたか…?」
「ぷぷっ、ジゼルは面白いなぁ。起きて第一声がそれ?」
目をきょとんとさせたジゼルはハンジの言葉にどういうことか分からないというようにして辺りを見渡す。あ、と言う言葉とともに意識を失う前の出来事を思い出したジゼルはバッと起き上がった。
「あたし、襲われて……?」
「うん、でももう大丈夫だよ。外傷はないみたいだけどどこか痛いところある?あ、因みに此処は医務室だからね。安心して。」
「大丈夫です、それよりもあの人達は…。」
「えと、顔見知りだったりする?」
ハンジの遠慮気味の声に首を小さく横に振る。真っ黒なフードを深く被っていたから顔すらも見ていない。ジゼルの心情が分かったのかハンジは頬を掻きながらそうだよねぇ、と呟いた。ジゼルの顔見知りでもないとすると誰の指示でジゼルを狙ったのか、ますます検討もつかなくなった。ハンジは内心白旗を上げながらも困惑しているジゼルに小さく微笑んだ。
「あの男達なら安心して、もう二度と襲ってくる事は無いよ。ほんっと危機一髪のところでリヴァイが助けてたから。それも必死だったんだよ、あんなリヴァイ久しぶりに見た気がする。」
ふふふふふ、と不気味な声を出しながらハンジは言う。リヴァイという言葉に一瞬体を硬直させたジゼルだったがふう、と小さく深呼吸をして落ち着かせた。
「……リヴァイ兵士長が、あたしを助けてくれたんですか?」
「うんうん。本当に必死にジゼルを助けようとしてたよ。あんな無我夢中なリヴァイは初めて見たかもなぁ。」