so ist es immer【Levi dream】
第1章 in the light of the earth
それから、一週間。リヴァイは愛馬のファルに餌をやりながら面倒臭そうに息を吐いた。小柄な彼だがそれでも彼から滲み出る圧倒的な威圧感にリヴァイの部下達はリヴァイを遠目で見て息を飲む。
「兵長、いつでも出発出来ます!」
リヴァイの元で敬礼するリヴァイ班にリヴァイは小さく頷いた。その後ろではそれぞれ馬に跨ったミカサとアルミンがリヴァイを見詰めていた。調整日のはずだった為か、それとも面倒な仕事を押し付けられた為か、リヴァイの機嫌は最高に悪い。
そう感じとった部下たちは必要以上にリヴァイには話し掛けずリヴァイがファルに跨った瞬間に部下たちも敬礼を解き馬の腹を蹴る。
「エルヴィンから聞いているとは思うが今から向かうのはウォール・マリア南側区域、シガンシナ区だ。巨人共がうじゃうじゃ居て戦闘は避けられねえだろう、が、無駄死にはするな。上官命令だ」
「はっ!」
粗暴、横暴で知られるリヴァイは実は誰よりも優しくて誰よりも部下思いな事は知っている。こういう時に上官命令を出すリヴァイに緩む頬を抑えつつも敬礼をしながら大きな声で答える部下達。そんな部下達を鋭い眼光で見詰めたリヴァイは小さく頷いて前を見据えた。
この行動に意味はあるのか、それともそのガキにあって意味を無理やり見出すのか、それは分からないがエルヴィンが許可したならそれに従うしかないリヴァイは憎らしくもどこまでも広がる青空を見上げながらシガンシナを目指したのであった。
「……生きてると、いいね」
アルミンがミカサにそう言うとミカサは立体機動装置を見詰めながらアルミンに視線を戻す。
「生きてたら、ジゼルと話したい」
「っ、うん」
人に興味を持つミカサを珍しく思ったアルミンだが大きく頷いた。そして前を見据えながら故郷、シガンシナへと向かうのであった。
雲がチラチラと浮かんではいるものの空の大半は澄んだ青色で今から巨人が沢山いる故郷に向かうというのにミカサとアルミンの気持ちはこの青空と同様、どこまでも快晴だった。
確信はないけど自信はある。
ジゼルは必ず生きている。
そう信じて。