so ist es immer【Levi dream】
第1章 in the light of the earth
エレンの力強い眼差しにエルヴィンは目を光らした。新型立体機動装置、その言葉には果てしない魅力と壮大な希望が含まれている。だがそれを手にするには相当なリスクが伴うだろう。だからこそエルヴィンはこの件について首を縦に触れないのだ。
人間が巨人化できる、それは願ってもみなかったし想像もしていなかった出来事だったがそれは実際に起きた。それと同様、今この目の前にいる若き兵士達にはエルヴィンでさえも踏み入れない何かが見えているのか、とエルヴィンは考え込むようにして顎に手を当てる。
そんなエルヴィンを見たリヴァイは小さく息を吐き出し宙を睨む。ミカサの視線がやけに気になるが相手にするのも面倒なので放っておくことにした。そして一瞬静かだったハンジは再び机を叩きながら口を大きくさせた。
「新型立体機動装置の設計図が手に入ればそれは調査兵団の大きな希望になるんだよ!!!兵士達も巨人に立ち向かいやすくなる、それに新型立体機動装置が完成すれば死亡率も格段に下がるかもしれない!!!試してみる価値は充分にある!!!」
トドメだと言うようにして叫んだハンジにエルヴィンははあ、と溜息に似た息を吐き出して、
「…………許可、しよう」
苦渋の選択を決断したのだった。その言葉を聞いたハンジは、わなわなと震えてなんだかよくわからない言葉を口から叫び大きく飛び上がる。エレン、ミカサ、アルミンもほっとしたように安堵の息を吐き出すと敬礼をした。
その中、リヴァイだけが眉根に深く皺を寄せ面倒な事になりそうだ、と宙を見上げた。彼の手の中に納まっているティーカップはやけに冷たくなっていた。
「リヴァイ率いるリヴァイ班とミカサとアルミンがこの件に加わってくれ。この件についてはリヴァイが指揮をとってくれ」
「俺は無駄死は嫌いだ」
「ああ。分かっている。だがお前にしか頼めない仕事だ」
「……」
「嫌いだろう?犬死。させるのもするのも」
「…………了解だ、エルヴィン」
エルヴィンに忠実なリヴァイはハンジをきつく睨みながらそういう、がハンジはさこの件がまさか実行されるとは思ってもみなかったのかウハウハと鼻息を荒くさせ此処には居ないモブリットに感謝の雄叫びをあげていた。