so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
「……う、ぐ……っ!」
瞬きをひとつ終えた次の瞬間には男達のうめき声が聞こえる。刈り上げられた黒髪の中に覗く三白眼はいつもより何倍も鋭く、そして氷のように冷たく血飛沫を飛ばせた男を見下ろしていた。ーーリヴァイはナイフを黒ずくめの男の喉元に突き刺していた。グチャ、という生々しい肉が引き裂かれる音と男の血飛沫がリヴァイの頬に飛び掛る。リヴァイは眉ひとつ動かさず息絶えた男の喉元から小型ナイフを抜き次の男に視線を移す。
「……ヒッ、リ、リヴァイだ!」
仲間が一瞬で殺された、と状況を理解した黒ずくめの男が窓際に手を付き小さく悲鳴をあげた。冷酷という残酷な言葉が似合うその冷たい表情に男は後退りをする。ジゼルを抱き抱えた男はジゼルを抱き抱える手に力を入れる。ジゼルの金髪がサラリと揺れジゼルの真っ青な顔を確認したリヴァイは今まで変えなかった表情を変えた。僅かに目を見開き小型ナイフを握る手に力を入れた。
「やめ、……ぐは……ッ!」
リヴァイはジゼルを抱えた男の頭にナイフを突き刺す。躊躇いもないその行動にエレン達は目を見開く。一瞬で息絶えた男のフードを捲りリヴァイは目を細めた。目を見開いたまま絶命した男に見覚えはなく、何故ジゼルが狙われたのですらも分からなかった。ジゼルが絶命した男の手からするリ、と落とされるその直前でリヴァイは片方の腕でジゼルを受け止めた。返り血を浴びたリヴァイは無表情でジゼルを見下ろし、目を伏せた。一瞬で息絶えた男達の無惨な死体が可愛らしいジゼルの部屋に転がる。地獄絵図のような光景にエレンと、アルミンは唾を飲み込みミカサは死体に目もくれずジゼルを食い入るように見詰めた。
「……兵長、ジゼルは、」
ミカサが口を開きかけた、その時。
「ッ、リヴァイ!いきなりどうしたって言うん……だ………。」
ハンジが血相を変えてジゼルの部屋を覗く。そしてゴーグルの奥底に沈む双眸をこれでもかというくらいに見開けた。その後ろにいたエルヴィンはハンジの肩に手を置き部屋の状況を確認すると僅かに息を止めたがそれは一瞬で。次の瞬間には瞼を伏せた。リヴァイがこの状況を片付けたのは目に見えて分かる、だがジゼルの安否がわからない今なんて声を掛ければいいのか分からなかったエルヴィンは目を見開いたまま絶命した男の顔を確認した。