so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
「な、なあ、誰かジゼルを呼んでこいよ…。」
「い、嫌だよ。エレンが呼んできてよ……。」
「は?いやいやいや、アルミンが行けって。」
「良い。2人が行かないなら、私が行く。そこ退いて。」
「ちょ、おい、ミカサ!!」
ジゼルの扉の前でジゼルの啜り泣く声を聞いていた3人は顔を歪め誰がジゼルを呼ぶか静かに言い合いしていた。エレンとアルミンが顔を俯けさせて、唇を噛む。確かにリヴァイがジゼルに対するあの行動はやり過ぎだと思う。ハンジも珍しく顔を険しくさせリヴァイを制していたけどそれでもリヴァイは納得いかないようだった。ミカサは何度も拳を握り頭の中で何度もリヴァイを殺す映像を流していた、が痺れを切らしたミカサがエレンとアルミンの前に立ち扉をノックしようと拳を作った時。
「……っ、やめ、っ……」
「……ジゼルのやつ、やけくそになってるのか?」
「……っ違う!エレン、どいて!アルミンは援兵を!早く!」
ジゼルの助けを求めるような声にエレンが首を傾げ大きな目をさらに大きくさせ顔を真っ青にさせた。ミカサは瞬時に部屋の中の状況を察し鋭い目付きで扉を開け放つ。アルミンは瞬時に状況を理解するがジゼルの部屋の中を見て体を硬直させた。唇が驚きで震え出すアルミン。エレンは目を見開き、部屋の状況を見て息をとめた。
部屋の中には黒いマントで顔を隠した男達が気絶したジゼルを抱え窓から飛び出そうとしている所だった。開け放たれた扉を見た男達がちっと舌打ちを落とす。ミカサは立体機動装置を装着していなかった為ジゼルの部屋に置かれたガラスの花瓶を手に持ち持ち前の運動神経で素早く男に近づく、が男達は手慣れた手つきでミカサを吹き飛ばした。
「……っ、」
「ミカサ!!てめえら何者だ?!」
尽かさずエレンが吹き飛ばされたミカサのもとへ行きジゼルを抱き抱えている男達を睨む。立体機動装置がないのなら、巨人化を、と一瞬エレンの頭にその考えが浮かぶが今の自分では巨人化したとしても理性を保てるかわからない。それに此処で巨人化してしまえば兵舎が呆気なく壊れてしまう。自分の無力さにエレンは唇を噛み締めた。誰もが絶望的な結末を想像したその時。
エレン達の横に稲妻のように素早いナニカが通り過ぎる。疾風の様なその動きは目では到底追えずそれは瞬きするよりも遥かに素早くて俊敏だった。