so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
カチャリ、という音とともに世界とあたしは隔離された様な気がした。本当に1人になった気がした。食堂で見たリヴァイの鋭い眼光とあたしを攻撃対象にしたその時、苦しくて悲しくて辛くて涙が止まらなかった。あんなに泣いたのは地下室に閉じ込められていた以来で。確かに地上は自由で魅力溢れているけれどこんなに孤独を感じるくらいなら地下室となんにも変わらないじゃないか、と目を伏せた。
用意されたふかふかのベッドは確かにジゼルが調査兵団の一員であることを示す。だがジゼルは調査兵団そのものの組織がジゼルの背後にあるアシュリーの資産と新型立体機動装置を見ているような気がしてならなかった。だが、ふと思う。
確かにここは居心地が良い。ただそれはみんながみんな優しくしてくれるから。だけど初めてあった時、リヴァイに言われたことを思い出す。調査兵団にお荷物はいらないと言われたあの日、確かに自分は世界に必要な人材なんだと勝手に思っていた。勝手に舞い上がっていたけど実際エルヴィンやリヴァイ、ハンジが見ていたのはジゼル自身ではなくジゼルの持つ資産と新型の開発技力だけ。そう思うと心が妙に落ち着いてストン、と軽くなった。
どうして気づかなかったんだろうと後にも先にも引けない後悔がジゼルを襲いジゼルはベッドに腰掛けた。ジゼルの視界が歪む、リヴァイの恐怖が体に染み付き初めて死を目の前で見た気がして震えが止まらない体を抱き締めれば自分がどれだけ恐怖を感じているのかわかった気がした。カタカタ、と歯を鳴らしながら蹲るジゼルの頬には月明かりに照らされた涙が伝う。
リヴァイは優しい、それは知っている。ジゼルもその行動に何度も心が暖かくなったのを思い出す。だがリヴァイは偶に自分を攻撃の対象とみている時がある。リヴァイと微笑み合い静かな夜を共有したあの日の綺麗な思い出が真っ黒な絵の具でぐちゃり、と塗られていくような気がした。
そんな中、ジゼルの部屋の窓を覗き込みにやり、と口角を上げた黒い男達が嗤う。黒いマントに身を包んだ彼等は足音を立てずに建物の壁に足を着くと顔を見合わせ合図を、する。不気味な雰囲気を纏った男は儚い彼女を見て目を細めさらに口元を歪ませた。不気味なその笑みにジゼルは気付かず。