so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
「……く、……るし…っ」
「お前のようにお気楽なクソガキとは違って此処にいる奴らはみんな疲れてる。お前がいつまで客人気分でいるのか知らねえがいい加減に自覚しろ、ここにいる奴らに無駄働きをさせるな。」
「……ッ……ぅ、」
「少しはその使い物にならねえ脳味噌働かせて考えやがれ、脳天気なお気楽野郎が。」
「……ッ。」
悔しくて、涙が止まらなかった。ジゼルの涙がリヴァイの頬を伝う。リヴァイはそれすらも無視し冷たい瞳のままジゼルを見上げる。ジゼルはといえば本当に苦しいのか今にも気を失ってしまいそうに遠い一点を眺めたまま涙を流した。流石のエルヴィンもリヴァイがまさか、ここまでジゼルにするとは思っても見なく、見てはいられなかったのかリヴァイの肩を掴む。
「リヴァイ、もう止めておけ。本当にジゼルが死ぬぞ。」
「こいつに1番効くのは痛みだと思う。」
「ああ確かにそうだ。だがジゼルは訓練兵でもましてや兵士でもない。…やり過ぎだ。」
「……」
「リヴァイ、お前のその言葉は間違ってはいない、だが先程も言ったようにジゼルは屈強な兵士ではない。手を離してあげるんだ。」
「……チッ、クソが。」
そう言って乱暴にジゼルの首元から手を離したリヴァイは近くにあった椅子を思い切り蹴る。ジゼルははあ、はあ、と肩で息をしながら止まることの知らない涙を流し続ける。ジゼルがしゃがみこみ尽かさずハンジがジゼルを受け止め恐怖で震えているジゼルの背中を撫でリヴァイを見上げた。
「リヴァイ、君がジゼルを大切に思う気持ちはわかる、だけどエルヴィンの言ったようにこれはやり過ぎだよ。痛みで人を変えられると思ってるならそれは大きな間違いだ。」
ハンジのその言葉にリヴァイは僅かに目を見開いた。そして俯いているジゼルに目をやるとジゼルは大袈裟な程に震えていて首元を摩っていた。床には涙の水溜まりが出来、この光景を見ていた兵士達はゴクリ、と息を飲み息を潜める。信じられなかった、リヴァイがジゼルを大事に思っていることは何となくだがここにいるほぼ全員が知っていた。だからこそそのリヴァイの行動に目を見開き、ジゼルを不憫だと言うようにしてその光景を見つめていた。