so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
そうか、と短い返事をして踵を返すと意味深な目付きでこちらをじーっと見つめているとある兵士と目が合う。リヴァイはその視線を容赦なく返すと1人の兵士はさっと目線を下に下げた。いつもならなんだ、と言っているが今はどうしてか、妙な胸騒ぎがしてその場を後にした。
自室にいる可能性が高いと判断したリヴァイはジゼルの自室へと足を進める……が、ジゼルの扉の前で真剣な顔つきをして立っているのはジゼルを呼びに行ったはずのハンジで。その横にはエルヴィンもいた。2人はリヴァイに気づき目を見開く。
「……食堂にも居なかったのか。」
「あ?…部屋で寝てるんじゃねえのか。」
「いや、それは私も考えたがどうやら部屋にはいないらしい。倉庫も見に行ったがジゼルは居なかった。」
「大方、クソでも長引いてるんだろ。」
「…………ジゼルをみた目撃者がいない。」
「……は?……」
エルヴィンの低い声にリヴァイは目を見開ける。青く住んでいる瞳には少し焦りの色を宿したリヴァイが映し出されていた。兵舎のどこにもいないジゼルにリヴァイの心は何かわからない、なにか急かされているような錯覚に囚われる。いつもふざけているハンジの顔色も心做しか少し青ざめていて、確かにジゼルが自室にはいないことをその顔が伝えていた。
エルヴィンは顎に手を置き難しい表情をして瞼を固く閉ざした。
「……ジゼル・アシュリー、アシュリー家の莫大な資産は少なからず調査兵団に流れてきている。アシュリー博士が遺した莫大な資産、ジゼルの持つ新型立体機動装置の創造。どちらも調査兵団にはなくてはならないものだ。」
「どうするつもりなの、エルヴィン。」
ハンジのその言葉にエルヴィンはまぶたを持ち上げる。
「苦渋な選択だがジゼルを探すのは大人数の方が時間も短縮できて手っ取り早い。ハンジ、お前は手の空いてる兵士を連れてこの辺りを探してくれ。リヴァイは立体機動装置を身につけ森を。」
「あ、ああ!分かった!」
「チッ、手間掛けさせやがって。」
エルヴィンの言葉にハンジとリヴァイはそれぞれの役目を果たすため行動に出る。微かな苛立ちに似た思いが腹の底の方で渦を巻く。リヴァイは焦燥感にかけられながらも手慣れた手つきで立体機動装置を身につけ訓練の森方面へと高く飛んだ。ハンジは既に兵を集めたのかリヴァイの飛ぶ下の方でジゼル、と叫んでいる誰かの声が響く