so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
「ファルの世話をしてくれたのはジゼルだ。きっと泥だらけだろうなぁ〜、そう思わない?」
「……」
「だから!ありがとう!って言うんだよっ!!馬の世話をしてくれてありがとうって。あ、因みに愛してる、ジゼルって言うともっといいかも。うん、合格だね。」
「何意味わからねえ事、ほざいてやがる。」
眉間に皺を寄せたリヴァイにハンジはふふん、と得意げに笑う。愛してるを言う意味がわからない、そんな言葉後にも先にも決して誰にも言うことは無い。顔を顰めたリヴァイは舌打ちをしてファルを見詰めた。ファルはどうやら綺麗に掃除されて機嫌がいいらしい、尻尾を揺らしていた。
「まー愛してるは言わなくていいけどさ、まだ。それにしてもジゼルどこ行ったんだろ?食堂かなぁ?部屋かなぁ?倉庫かなぁ?」
ハンジが顎に手を添えてううん、と唸る。ゴーグルの奥にある瞳は真剣そのものだ。ウィンドウの寝顔を眺めていたエルヴィンもその言葉にこちらへと視線を向け考え込むような仕草をする。
「私もジゼルには礼を言いたい。倉庫か食堂か自室にはいるだろうが……。」
「よし、私がジゼルの部屋を見てくるよ、リヴァイは食堂、エルヴィンは倉庫を見てきてーっ!」
言い終えると嵐のように去っていったハンジにエルヴィンは苦笑いをして足を動かす。馬小屋で突っ立ったままのリヴァイを見れば、リヴァイは壁に背中を預け眉根に皺を寄せて足元を睨んでいた。
「どうした、リヴァイ。行かないのか?」
「先に行ってろ。」
「そうか、分かった。多分自室にいるだろうが私も倉庫を見てくるよ。」
「ああ。」
礼を言えと言ったが生憎生まれてこの方、誰かに礼を言ったことがないリヴァイは顔には出さないものの戸惑っていた。この歳になるまで礼すらしたことがない自分に苛立ちを覚え三白眼を細める。ジゼルにどう感謝を伝えるべきかと考えていたが、その思考を一旦辞める。リヴァイは小さく息を吐くと食堂に向かった。
「ジゼルですか?見てないですよ?」
食堂で夕飯を食べるべくいつものメンバーといたエレンに聞けばジゼルは此処には来ていないと言う。リヴァイの登場に敬礼したままの兵士にリヴァイは手でそれを制した。ジゼルが馬小屋を必死に掃除している姿を目撃したという情報はあるがそこからの目撃情報が全く持ってない。
疲れて自室に戻ったのか、とリヴァイは宙を眺める