so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
「す、す、すっげー綺麗になってるんだけど!?」
「…は?」
ハンジが指を差している方向に視線を持っていけば馬小屋は見違えるほどに綺麗になっていた。エルヴィンの愛馬、ウィンドウもリヴァイの愛馬、ファルもハンジの愛馬、トイもみんな気持ちよさそうに眠っているのがわかる。リヴァイは先程のハンジの叫び声はそういうことか、と理解しふぅと短い息を吐いた。ジゼルに何かあったのでは、と一瞬我を失いかけた自分に驚きつつも拳を握る。紛らわしい事を、とハンジを睨むがハンジは目を見開いたまま硬直していた。
「…ほう、これは凄いな。ウィンドウも眠っている。どうやらウィンドウもジゼルを気に入った様だ。」
隣に来たエルヴィンはウィンドウを見詰め青色の瞳を丸くさせながら小さく笑う。トイは比較的人懐っこいがウィンドウやファルは主人以外の人間には敵意を剥き出しにさせる。だがどうだ。ウィンドウもファルも気持ち良さそうに目を閉じていて。さらに艶やかになった毛並みがジゼルに解かせたのだろうと安易に想像できた。
「ジゼルは凄いねーーーー、ほんっとーに凄いや!!トイも良かったねえ、これからはジゼルに掃除して貰っちゃう?」
トイの頭を撫でたハンジはにやりと笑いながらトイを見る。トイの世話はモブリット担当だが本来はハンジがしなければならない。トイはジゼルの名前を聞いた途端目を輝かせて短く鳴いた。主人よりもジゼルを選んだトイにハンジが目を丸くさせゲラゲラとお腹を抱えて笑った。
「ハンジ、トイとの信頼関係をもっと頑丈にしたらどうだ。トイは比較的優しくて温和な馬だがいつまでも自分の部下に愛馬の世話をさせるのは良くない。」
「分かってるんだけど研究に没頭しちゃってさ。まあ暇があれば面倒見るよ。」
エルヴィンの言葉にハンジは頬をかいた。そして暫くの間、黒く光る毛並みを見詰めていたリヴァイにハンジが言う。
「リヴァイ、ジゼルにはちゃんと礼を言うんだよ?」
流れるようにして三白眼がファルからハンジに向けられる、眉を顰めたリヴァイにハンジはあちゃあ、と言うようにして頭を抱えると人差し指を立ててファルとリヴァイを指さした。