so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
「ほう、やけにあのガキを贔屓するな。エルヴィン。」
「そういう訳じゃない、ただジゼルの性格上そう思うだけだ。だからジゼルに愛馬の世話を任せた。」
「馬の世話なんざ任されて喜ぶのはあのガキくらいだろ。世間知らずのガキにはいい刺激になっただろうな。」
「リヴァイはほんっとーに嫌味ったらしいね?!そんなんだとジゼルに嫌われるよ!」
「余計な世話だ、クソ眼鏡が。」
「ひっでー!!!」
ハンジが唇を尖らせてジゼルのいい所を言っていたがリヴァイは話を無視し再び窓の外に視線を向けた。もう夕陽が顔を出してきてる。随分と長引いたものだ。帰るのは夜になるか、と空を見上げたリヴァイは目を伏せた。
暫くして到着した兵舎。月が顔を出し馬車から降りた3人を照らす。モブリットは明日は非番を貰い、部屋で休むようにとエルヴィンに言われ敬礼をしてからその場から去っていく。ハンジは今日も徹夜でモブリットに実験を手伝わせる気だったらしくぶーぶーとエルヴィンに文句を言っていた。モブリットは巨人に食われる以前に人類の奇行種の手によって死ぬだろうな、とその光景を眺めていたリヴァイ。ハンジはエルヴィンに文句を言ったあとその場でスキップをして目をきらきらと輝かせた。
「ジゼルはまだ馬小屋かなあ?様子見てこよー!あ、エルヴィン、リヴァイも一緒に行こう!!!うん、それがいい。ジゼルもきっとビックリするだろうなぁ〜。へへへへ。」
鼻息を荒くさせたハンジがスキップで馬小屋へと向かう。機嫌がいいその後ろ姿を見たリヴァイがエルヴィンを見るとエルヴィンも頬を緩ませていて馬小屋へと足を動かす。
「どいつもこいつも浮かれすぎだ。」
「まあいいじゃないか、リヴァイ。お前もジゼルに癒されたいだろう?」
「……馬鹿言え、気持ち悪ぃ。」
まさかエルヴィンからそんな言葉が出てくるとは思わずリヴァイは一瞬目を見開いた後その端正な顔を小さく歪めた。だがその足はエルヴィンと同様馬小屋に向かっているのだから仕方がない。そして馬小屋に近づいた瞬間、ハンジの叫び声が聞こえてリヴァイとエルヴィンは顔を見合わせる。何かあったのか、とリヴァイは眉間に皺を寄せ馬小屋へと自分の持つ限りの速さで走った。
「何があった……!」
馬小屋へといき放心状態のハンジを睨めばハンジは口をパクパクさせながら自分の愛馬を指さしていた。