so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
それからすれ違う兵士はジゼルに軽くてを振るだけでシュナイダーの様に触れてくることは無かった。少し身構えていたジゼルの体からだんだんと力が抜けていく。ホッ、と安堵したのも束の間、長い廊下の奥で見慣れた3人が立っていてジゼルは一瞬で笑顔になる。さっきまでの不安の色を宿した瞳はもう居なくなっていた。
「エレン、ミカサ、アルミン!!」
「…ジゼル!!」
少し遅れて声の方向を向いた3人がこちらへと走ってくるジゼルを見て自然と笑顔になる。ミカサも心做しか頬が少しだけ緩んでいて。もうジゼルは家族に近い存在なのだろう、ミカサはこちらへと走ってくるジゼルを心配そうに見詰めていた。
「はあ、はあ、…なんか、久しぶりだね。」
少し息の荒いジゼルは肩で息をしながらも微笑んだ。
「ああ久しぶりだな!そういやジゼルは今起きたのか?」
エレンが首を傾げてジゼルを見る。エルヴィン、リヴァイ、ハンジが今日は不在だから1人では不安だろうとエレンとミカサとアルミンはジゼルの部屋に行っていたのだ。だが当の本人も不在で。これからジゼルを探そうとしていた矢先ジゼルを見つけたのだから疑問をぶつけてしまうのもわかる。エレンの言葉にミカサとアルミンは答えを求めるべくジゼルを見詰めた。
「うん、そうなの。昨日は倉庫で寝ちゃって。」
「え?倉庫で寝たの?」
「うん、夜明けまで作業してていつの間にか寝ちゃってたみたいなの。」
「ひとりで大丈夫だったの?……あそこは人目もつかないしジゼル1人は心配だよ。」
アルミンの大きな目が揺れる。だがそんな心配はいらなかったのかジゼルは満面の笑みで首を横に降った。
「いつもリヴァイ兵士長が一緒に居てくれるから大丈夫だよ。心配かけてごめんね。」
「…兵長と?一緒?なんでだ?」
疑問を直球にジゼルにぶつけるエレンの瞳には困惑の色が色濃く乗せられていた。
「あのチビ…。ジゼル、何もされてない?もしあのチビに何かされたら私に言ってきて。ジゼルに手を出したら許さない、絶対に。」
メラメラと敵意丸出しの目でここにはいないリヴァイに小さく舌打ちを落とすミカサ。
「ミカサ、兵長はそんな事しないと思うけど…。そうでしょ?ジゼル。」
苦笑いを零しながらミカサを宥めるアルミン。
ジゼルは暫く目を丸くさせたあとふわり、と笑う。