so ist es immer【Levi dream】
第3章 a beautiful nudity
「…………ん、」
朝の光が差し込んで部屋の中にほんの少しだけ歪んだ四角形の陽だまりが出来る。差し込んだ光の柱は均等で揺るがない。その中の空気が微かに歪んでいて。小さな陽だまりに照らされたジゼルは重たい瞼をあけた。此処は、という前に肩から落ちた甘い紅茶の香りをした服を手にする。そうか、あたしは此処で眠ってしまったんだ、と思うと同時に鼻を掠める紅茶の香りにジゼルはふふ、と嬉しそうに笑みを零した。
リヴァイのものだと一瞬でわかったジゼルはリヴァイのジャケットを丁寧に折り畳む。リヴァイは粗暴で口が悪いが確かにその中には果てしない優しさが含まれていて。優しいリヴァイの行動にジゼルの心は陽だまりと同じように暖かくなった。
時計を見ればもうそろそろ他の兵士たちが起きてくる時間に近づいていてジゼルはよいしょ、と腰をあげ大きく伸びをした。椅子で眠っていたのにも関わらず睡眠に満足した体はすっかり軽くなっていた。今日は団長、分隊長、兵士長が兵舎に居ないため少し浮き足立ってる兵士達が廊下を歩いているジゼルに向かって笑顔で手を振る。ジゼルの近くにはいつも団長や兵士長、分隊長が居るため自然とジゼルに近付きにくかった兵士達はここぞとばかりにジゼルに笑顔で手を振り、自己紹介をしていく。
「ジゼル!おはよう。俺はシュナイダー、シュナイダー・リヌ。宜しくな!」
「あ、よ、よろしくお願いします!」
シュナイダーと呼ばれた男は103期兵士の1人で、彼もまた功績ある兵士だった。
「ジゼル、この髪は地毛なのか?それとも染めてるのか?前々から思ってたんだけどすっげー綺麗だよなあ。」
「え、と…、地毛です。」
シュナイダーの好奇の目にジゼルは少し怯える。エルヴィン、リヴァイ、ハンジ、そしてエレン達以外で兵士達とあまり話したことがなかったから免疫のついていないジゼルは無意識に肩に力を入れる。ベタベタと髪に指を絡めさせるシュナイダーにジゼルは息を飲み込んだ。そんな反応の初々しいジゼルが可愛くてシュナイダーはさらに笑みを深めた。
「…………本当に綺麗だよ。ジゼルは勿論綺麗だけどジゼルの纏うその雰囲気も堪らないな。」
「……あの?」
首を傾げたジゼルはされるがままで。一歩後ろに下がると簡単にシュナイダーの手は離れる。それに少しだけ安堵したジゼルは申し訳ないと思いつつも頭を下げその場を後にした。