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愛の囁きを。

第3章 Sakurai.




『もしもし。なぁに?』
「...櫻井さんって人が....」
『ああ、もう来てたの?
 案外早かったわね』
「雇ったの?」
『ええ。しばらく帰らないし、
 あんたの世話を頼もうかなって
 いまの彼氏、超お金持ちなの!
 一晩寝てやっただけで
 バックくれたの、もう最高!!』
「...そう、」
『あ、もう来たわ。
 じゃーね』



しばらく帰らないんだ...。
じゃ、櫻井さんと二人きり?

嬉しくないけど、気まずい。


「これ捨てちゃってもいいのかな?」


「え?」



本当に片付けちゃってる...。
てか、ほとんど片付いてるし。


なんなの、ほんっと。



「片付け終了!
 ねぇ、出掛けない?」


「え、で、でも...」



「いいじゃん!
 お金なら俺持ってるし、ね?ね?」



櫻井さんは私と仲良くなりたいのだろうか。
こんな私と?


....独りぼっちじゃない




そう思うほど、
いつか居なくなるって思ってしまう。







櫻井さんは、
雇われの身なのに。





いつか居なくなるのに。


























 
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