第3章 Sakurai.
気づけば夕暮れ
外も暗くなっていた
そう言えばクラスの子が
『今日はおしまいだから、
それ終わったら帰っても良いって!』
と言いに来てたな。
集中して適当に返事したけど...、
さすがにこれは暗すぎてちょっと怖いかも
でもそんなこと言ったって
誰か居るわけじゃないし。
「かーえろ。」
この服はこのままでいっか
明日、渡せばいいし。
よくよく思い返してみれば、
私は櫻井くんと話した事があまりない
遠い存在なのだから話さないのも当たり前だが
「...あ、っれ
平川じゃん、お疲れ!」
教室に入って来たのは汗だくの櫻井くん