第3章 Sakurai.
同じクラスの櫻井くんが、
クラス発表の演劇で王子様役する事になった。
どこかぎこちなくて似合ってないのに
クラスの女子はキャアキャア騒いで喜んでる。
やっぱ人気者って、似合わなくても
騒いで喜んでもらえるんだな...。(失礼な)
そんな私は裏方で道具を作ることにした
演技、なんて得意分野じゃない
それに柄にもなくそんなこと、できない
『平川さん、これ直しといて!』
「あ、はいっ」
ポイッと雑に渡されたのは、
どう見ても王子様が着るような服。
つまりは櫻井くんの、着る服
どうやったらこんなボロボロになるんだってぐらい
服が破れていた
「丁寧に扱ってよ....。」
1人、座ってチクチクと縫い始める
こう見えて実は、
裁縫は大得意!