第6章 Ohno.
「大野…くん……?」
国民的アイドルの、大野くん
楽しそうに笑う彼は、
私で遊んでる。
やっと気づいたの?
とケラケラ笑うもんだから、
かぁーっと熱くなる頬。
「そんな照れんなって。
俺、そろそろ打ち上げ戻んないと
君の名前、聞いてなかった。」
「愛里、平川愛里です…」
「うん、分かった。
これ連絡先ね。また会おうね」
彼は紙切れを私に渡して、
中へと戻って行った。
ドキドキした。
普段はイケメン、なんて苦手なのに
彼といると凄いドキドキして
また会いたいと思った。
これは錯覚なのかな。
アイドルだからそう思うだけ?
ギュッと握り締めた紙切れを
ただジッと見つめ、
いつかまた会えるんだと。
そう思ったら嬉しくて。
『愛里!はやく戻んなよ!
二次会だってー!』
思わずニヤニヤしてしまうんだ。