第2章 Ninomiya.
体育館倉庫、
ガチャリ。
この音が鳴れば、
鍵が締まった合図で。
「このまま居なくなれたらなぁ」
何を根拠に、
私はウザイだとかキモイだとか。
そんな罵倒を浴びせられなければ
いけないんだろう?
俯いて、
ただ黙って時間が過ぎるのを待った
「....くっそ、いってぇな...」
「か、ずなり....くん...」
ムクっと起き上がったのは、
どう見ても和也くん。
追いつかない思考で、
私はグルグルと必死に考える
「馬鹿ですか、
あなた、あんな野蛮な女とタイマンなんて
....タイマンではなかったですけど」
なに、言ってるの?
こうなったのは、
すべてあなたのせいなんだから。
貴方が、
理由もなく私の傍に居るから
こうなったのは、あなたのせいなんだから!!
「どうやって出ますかね~」
やれやれと立ち上がり、
どこかあいていないか探す和也くん
「あなたも探しなさいよ、愛里」
お母さんと、おじさんが頻繁に会うようになり
いよいよ結婚するかって時に。
おじさんの連れ子がかれで。
いつからか、
彼は意地でも私から離れなくなった。
こんなの、おかしいのに。