第6章 Ohno.
ガシャ ガシャガシャ…
ナイフが引きずられて、
擦れる音が鳴り響く
手に入らないのなら、要らない
ほかの人のものになるのなら、
もういらないよ。
ほしい。ほしいほしいほしい。
君がほしいよ。
「愛里…」
「さ、とし…!?」
なんで怯えるの?
どうして怖がるの?
おいらの愛は要らないって?
「そのナイフ…!?」
「ねえ、おいらの事好きでしょ?
照れてるだけだよねぇ?」
おいらは知ってるよ。
だから震えなくてもいいんだよ
おいらなら受け止められる。
ねえ、好きだよね?
「…好きだよ……でも、
それは友達とか…そうゆうので…」
いつか君を手に入れられるなら、
それは夢のまた夢だけど
手に入らなくたっていい。
それでもおいらが君のココロに
少しでも居るのなら。
それだけで、いいんだ