第6章 Ohno.
なんで。
なんで?なんで?
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。
おいらは変だって?
どこが変だって言うのさ。
おいらの心の中には、
いつも愛里だけだっていうのに。
おいらが意気地なしだから、
好きだってちゃんと言わないから、
もしかして幼馴染みだから、
君はおいらのこと意識して、
見てはくれないの?
「…だったら」
おいらだけを見ていられるように、
おいらだけしか考えられなくなるように、
してあげるからね。
「…待ってて、」
転がっていた錆びたナイフ。
ジャリと音をたて、持ち上げる。
これじゃダメだ。
切れ味が悪いかもしれない。
脅しだ。そう、脅しに使うんだ。
綺麗なナイフを持ち、
フラフラと歩き出した。