第6章 Ohno.
「おいらを嫉妬で狂わせたいんだろ?
もしかして試してるの?」
何を言ってるのか分からない。
涙が出ているのに、
彼は笑っていた
もう既に、彼は狂っていたのかもしれない
「試す…?そんなことしてないよ!
大体、智はおかしいよ!!
彼はただの友達なのに!!!」
先ほど、クラスメイトの男子と
話していたら智が現れて、
彼を突き飛ばし「気安く話すな」と
そう吐き捨て、私を連れ出したのだ
いつもそう。
「私なんかの気持ちは無視して
一方的にも程があるよ!!!」
そう、疲れたんだ。
彼の態度や気持ちに対して
疲れてしまってる。
涙目の智から、怒りの目をした智に
少し目つきも怖くなった。
「…なんで?
愛里はおいらだけでしょう?」
何か間違えてる?とでも言うように、
彼は有無も言わせぬ表情をする
こんなの、智じゃない
智は優しくて思いやるある人だ
「変、だよ…」
そう一言、彼に言い放ち
私はその場を去った。