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愛の囁きを。

第6章 Ohno.






8月10日。

今日は美術の授業をしに、
学校へ行った。
真面目に描いてくれる人も居て、
「大野先生、上手ですね」って言われた。
けどもっと嬉しかったのは
「智の絵、好きだよ」って言われたことかな。



8月20日。

もうすぐコンクールが開催される。
かなり大きなコンクールだ。
これで優勝出来れば夢も叶えられる。
その為に、もっと練習しなきゃ



8月27日。

スランプだ。
何を描いても納得の出来るものが
描けない。どうしよう
もうすぐコンクールだってのに
学校へ休みを貰ってアトリエにこもって、
約1週間。



8月29日。

彼女に電話したら「描きたい物を描けば」って
アドバイス貰った。
挑戦してみようと思う。
その為に俺は彼女をモデルに描いて、
それをコンクールに提出する。







そのページで終わっていた。
コンクールなんて聞いてない。


チラッと智を見れば、


「どーした、泣いてるよ」


って笑いながら言う。




震える手を懸命に握り、
私は流れ落ちる涙を拭う。

ああ、こういうことかと



少し前までの智の落ち込みようを
思い出す。












 
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