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愛の囁きを。

第6章 Ohno.





何もかもが変わって見えた。


チラリと見えた彼の表情は、
切なそうな悲しそうな顔をしていて

描いては消すを繰り返していた。


「わったし…」


「俺さ、頑張って優勝するから。
 そしたらさ、そしたら、」



キャンパスに描き終わって、
目線だけを私に向け、

ニコッ、と微笑みながら



「俺と結婚しない?」






何もなくていい、


私達が付き合い始めたのは、
そんな一言が始まりだった。


お金なんて、名誉なんて、富なんて、

欲しけりゃ手に入れればいい
私が欲しいのはそんなんじゃなくって



「…しなくてもっ……」


「え?」


「しなくてもっ、結婚するよォ…」



似顔絵、




貴方が描いた私の顔はどんな顔?


アトリエでしか会えない私達にとって
貴方の絵は特別だった。



長い月日が教えてくれたように、


これからも今まで通り過ごしていこうよ






「…ふふ、泣きすぎでしょ」








汚れた手のひらで、
私の頬を優しく撫でる人。








その手で描かれた絵には、
嬉しそうに笑いながら泣く女性があった。

































(やば、優勝しちまった)
(…私の絵で?)
(やっぱ出会うべくして出会った二人だよね)
(ちょ、意味不明だよ)
(意味わかって、少し恥ずいから)
(ふふ。じゃあ言うなってば)
(…もう。先生してくる)
(え、やめてないの!?)
(俺って、子供好きじゃん?)
(…そんなん知らないじゃん……)
(妬くなよ。じゃ、俺らで子供作る?)
(ばか!変態!さっさと学校に行け!!)



結局、智の夢は先生だったりして。






 
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