第6章 Ohno.
どこだ。
どこなんだよ。
どこにいるんだよ。
言ったじゃねぇか。
大人しくしてろって。
言ったじゃねぇか。
俺が傍に居てやるって、
パパになってやるって、
拾ってやるって。
なんだよ、さようならって。
お世話になりましたって、なんだよ!!!
「リーダー!!一旦落ち着こうよ!!!」
「いねえっ!!どこにもっ!!!
落ち着けねえよ!だってあいつは…っ!」
相葉ちゃんの顔を見て我に返る。
言えなかった。
娘なんだとも、親戚の子なんだとも。
悲しげに俺を見る4人の顔は、
まるで哀れんでいるみたいだった。
「…気持ちは分かるけど、
きっと局内に居るよ。トイレとか…」
「リーダー、あの子って…」
親にはなれない。
どうしたってなれない。
あの日、君を拾ったのは
決して気まぐれなんかじゃないって。
ただの同情なんかじゃないって。
「愛里ちゃんってさ、」
今まで黙っていた松潤が
振り返った。
「いっつも寂しそう、つうか
泣きそうな顔、してたよね。
…って、今日しか会ったことねえけど」
そう言った。
確かに、と翔ちゃんが頷く。
「リーダー、
あの子はリーダーが拾った子なんでしょ?
同情とかそうゆうんじゃなくって
一緒に居たいから居たんでしょ?
それをあの子は知ってるの?」
裸足の君を見て、
ずぶ濡れの君を見て、
抱きしめてやりたくなって。
そうしたら、愛里を拾ってて
笑う、その笑顔を見たかっただけなのに
いつの間にか居なくなってて
『お父さんは、
"本当"を知らないからそう言えるんだよ』
涙さえ、拭えたなら。
「…なんで相葉さんそれ知ってんの?」
「え、たぶんみんな知ってるよ?
リーダー無意識に言ってたんだよー?」
「…まじか」
「まじです」
『なあ。俺と一緒に居て楽しいか?』
『なに、急に。楽しいよ!』
『居なくなったら寂しい?』
『うん。すっごく』
『俺さ、お父さんなるのやめようと思う』
『……そっかあ』
『…おう』
『……』
『…』
『もう、泣かねえから。俺。』