第6章 Ohno.
一人きりの楽屋で、散らかった
お父さんの荷物を見つけた。
相変わらず片付けは苦手みたい。
片付けるうちに、見つけたあるモノ。
それはとても見覚えのあるモノで
思わず手に取ってしまった。
『私が居なくなっても大丈夫なように…』
そう言って渡したブレスレット。
要らねえよって言われてたのに…
綺麗にポーチなんかに入れてくれてる。
大切に持っていてくれたら…。
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ガチャ
暗い楽屋の明かりを付けると、
そこには誰も居らず。
ただ、綺麗に荷物がまとめられているだけ。
散らばっていたはずの荷物が
片づけられていた。
紛れもなくアノ子が綺麗にしたんだ。
じゃあ、アノ子はどこに居るんだ?
『私が居なくなっても大丈夫なように…』
頭の中で、心の中で、
小さくこだまする言葉が
最悪の意味を思い巡らせた。