第6章 Ohno.
楽屋に入ると一斉に聞こえる、挨拶
「おっそー、リーダー」
「また寝坊とかじゃねぇのー?」
「おはよっ!リーダー!」
「ちなみに相葉さんも寝坊です」
「今日は連れ、いる」
ほら、と背中を押され出ると
四人の視線は私の方へ向けられる。
「噂の子じゃね」
ちょっと目付きが怖い男の人(松潤)が
にやっ、と笑った。
「はじめまして。
俺は櫻井翔。…って知ってるよね」
あはは、と笑う櫻井さん
すると横に居たリーダーが
気まずそうに、
「ごめん、こいつテレビとか
あんま見ねぇんだよね。」
「うっそ、マジですか。今時そんな子が…」
と哀れそうに私を見る男の人。
なんなの、良い人ばっかなのかと
思えば全くじゃない!!
席に座ると横に居た相葉さんが
笑顔で話し掛けて来た。
「なんて名前なのー?」
「愛里、です」
「ふうん。愛里ちゃんね!よろしく!!
リーダー、好き?」
「…え、えっと……」
唐突の質問に答えが上手く出ない。
そりゃ大嫌いだけど…
にへ、と笑った相葉さんが
「ごめんごめん、困るよね、そうゆうの。
リーダーね。いっつも愛里ちゃんの話
ばっかしてるよ。」
「へ?」
「リーダーのお気に入りみたい。愛里ちゃん」
へへへ、と優しく笑う相葉さんの頭から
ごつっと鈍い音が響いた。
相葉さんが痛そうに涙目で振り返ると
「相葉さん、余計なこと言うと
リーダーに叱られますよ」
二宮さんだった。
…な、なんか苦手なタイプだ。
「もお。ニノってばヤキモチやめてー」
「自意識過剰ってよく言われません?」
がしゃんと左隣に座る二宮さん。
頬杖ついてジーッと私の顔を見つめる二宮さん
無駄に心臓がバクバクいってる…!
「二ノ見つめ過ぎーっ!!!」
あひゃあひゃ、と笑う相葉さん。
すると二宮さんはにィっと笑い
「リーダーには勿体無いですねぇ。」
「…も、勿体無い……とは?」
「そろそろ時間だってよー!」
櫻井さんが入り口付近で3人を呼ぶ。
相葉さんは「はあい!行くよー!」と
ほらほらと2人を促す。
険悪なムードの原因は、私…かな?