第6章 Ohno.
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目を覚まし、起き上がると目に入る痣
痛みはないものの、やっぱり気になる痣
どれだけ時間が経とうとも
消え去りはしない。
昔なんか覚えていない
「…愛里?」
仕事着姿のお父さんが覗き込む。
パッと入り口付近を見れば、
心配そうな顔のお父さんがいた。
「へいき。」
何度も見た。
あの日から今日まで。
いつか訪れるお別れの日を想像した
すごく悲しくて寂しかった。
平気じゃない
ぜんぜん平気なんかじゃないよ
朝起きたら、違う景色かもしれないって
カーテンを開いて外を見るんだ。
ひどい頭痛に襲われて、
吐き気で現実に戻ってくる
「おいで、仕事に連れてってやるから」
「え、でも…」
「親戚の子。って設定忘れんなよ」
ねえ、それって…。
私は嬉しくてベッドから飛び降りる。
今日は1日お父さんと一緒に居られるんだ…!